藤山
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―宇宙資源採掘輸送船アストロ・オデュッセ
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作成者:  DHida [ 2016年12月01日(木) 03:30 ]
記事の件名:  ―宇宙資源採掘輸送船アストロ・オデュッセ

―宇宙資源採掘輸送船アストロ・オデュッセイア号―本船は、ケンタウルス座ベータ星...

―宇宙資源採掘輸送船アストロ・オデュッセイア号―本船は、ケンタウルス座ベータ星系エコー採掘プラントでの資源回収任務を完了し、現在地球への帰還航路に入航中。人員、物資、各機関すべて異状なし。あなたがブリッジで航海日誌を記録していると、1等航宙士のオルガ・ボルコンスキーが報告してきた。「船長、針路変更15分前になりました。次回針路変更予定時刻0830Z。GEDエリア030X190Y280Zにて、右15度ダウン20度で回頭します。」「了解。よし、針路変更後はオートパイロットに切り替える。みんなご苦労だったな、ゆっくり休んでくれ。」帰還航路に乗りさえすれば、あとは何もない宇宙空間を航行するだけなので、システムは全て自動に切り替え、乗員はしば楽の間長い眠りにつく。いわゆる人工冬眠に入るのだ。オートパイロットが緊急事態と判断すれば、乗員は起こされる。「目が覚めたら太陽系ですね。」オルガがやや安堵の表情を浮かべながら言った。とても魅力的な笑顔だ。「ああ、ようやく家に帰れるな。」自分が言ったその言葉は、あなたに家族のことを思い出させた。妻や子どもたちは、今頃どうしているだろう。みんな元気だろうか。あなたが物思いにふけっていると、傍らの船内通話装置のモニターが点灯した。無線通信士のロバート・カーの顔が現れ、あなたの思考は中断された。「船長、通信室から報告します。」「どうした、ボビー。」「広帯域受信装置に音声信号をキャッチしました。」「音声信号?」「ええ、周波数帯はVHFです。40秒くらいの周期で同じ内容が繰り返されています。出力はあまり強くありませんが、おそらく距離が近いため、明瞭に受信できています。」「内容はわからないのか?」「はい、私の知らない言語でして。ただ...」「なんだ?」「現在スーパー・コンピュータ―に分析をかけているのですが...」自分の言おうとしていることに自身がないようだ。「いいからハッキリ言ってくれ。」私は発言をうながした。「本船には、現在使用されている地球上のほぼ全ての言語データが記録されていますが、この音声信号はそのどれにもヒットしないのです。」ブリッジに沈黙がはしった。「つまり、エイリアンの言葉だということか?」「その可能性があります。今、再検索していますが...。それと信号の種類ですが、何かの呼びかけか救難信号の可能性があります。比較的低出力で同じ内容を繰り返しているので、長時間発信できますから。」「無線方位は測定できたか?」「ええ、ナビへ送ります。」「予定航路から15宇宙マイル!」とオルガ。「近いな!」(あなたが船長なら、調査に向かいますか?)

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